札幌競馬場の特徴とコース傾向を芝・ダートに分けて解説
札幌競馬場は夏競馬限定の開催で、7月後半~9月前半に開催されます。
この競馬場では、夏唯一のG2札幌記念やクイーンS、ダート重賞のエルムS、短距離重賞のキーンランドC、札幌2歳Sが開催され、夏競馬を賑わせる競馬場としても知られています。
札幌コースの特徴
札幌競馬場は全面洋芝を使用しており、函館競馬場同様に適性があるかどうかが予想の大きなポイントとなります。
パワーとスタミナを兼ね備えている血統の馬が活躍する傾向にあるので、前走成績や血統を予想の中心として組み立てるといいでしょう。
また全体として平坦コースであるのが特徴です。直線も短いので、芝・ダートともに、逃げ馬や先行馬に有利な展開になることが多くあります。
コースの体系上、コーナーが緩いカーブになっているため、スローペースになりやすくなっているためです。
札幌競馬場では、全体的に少頭数のレースが多くなっているため、1番人気になった馬の信頼度は高くなっていて、特に新馬戦などでは信頼度がさらに高くなる傾向にあります。
一方、1000万下クラスではクラス編成の影響もあり、降級馬と昇級馬が入り乱れるため、1番人気の信頼度は低く、勝率も下がる傾向にあります。
開幕週は先行や差しが好成績を残す一方、開催が進むにつれて逃げ馬の成績が良くなるのがこの競馬場の傾向です。
特に後半になると、パワーのある逃げ馬が好走する展開というのが多く見られるので、荒れ模様のレースが多く見られる傾向にあります。
【傾向まとめ】
・パワーとスタミナを兼ね備えている血統の馬が活躍
・逃げ馬や先行馬に有利
・開幕週は先行や差しが好成績
・1番人気になった馬の信頼度は高い
★芝コース★
札幌コース/芝1200m
重賞キーンランドCが行われる舞台となっています。
2コーナー奥のポケット地点を発走し、小回り平坦コースを回るということで、基本は逃げ、先行馬に有利な展開になりやすくなっています。
また洋芝に対する適性もカギになるので、パワーのあるタイプの逃げ馬、先行馬を軸に馬券を検討しましょう。
血統ではパワーのあるダイワメジャー産駒、アドマイヤムーン産駒、ファルブラヴ産駒が好走しています。
17年のキーンランドCでは、1着にファルブラヴ産駒、2・3着にダイワメジャー産駒が来ていることから、適性があると見ることが出来るでしょう。
このコースでは、福永騎手、岩田騎手、黛弘人騎手、J.モレイラ騎手が好成績を残しています。
福永騎手は勝率、黛騎手は回収率、J.モレイラ騎手は連対率でともに好成績を残しているので、押さえておくといいでしょう。
【傾向まとめ】
・逃げ、先行馬に有利
・パワーのあるダイワメジャー産駒やファルブラヴ産駒、アドマイヤムーン産駒が好走
・福永騎手、岩田騎手、J.モレイラ騎手、黛弘人騎手に注目
札幌コース/芝1500m
札幌競馬場のみに設置されたコースとなっており、1コーナー奥のポケット地点からの発走となります。
コースの形状としては、中山競馬場の芝1600mに似たコースとなっています。
このコースでは、内枠に入った逃げ、先行馬が好成績を残しており、有利だと言えます。
またこのコースは札幌競馬場のみに置かれたコースなので、コースに対する適性があるかどうかも重要になってきます。
例を挙げると、ウインムート(父ロージズインメイ)という馬のように新馬戦をこのコースで勝利した後、1年間勝ちなしで次の年の札幌開催の同コースで500万、1000万と連勝したというケースがあります。
このコースでは適性という面では前走で阪神芝1400~1800mでのレースを使っている馬も好走する傾向にあります。
そのため、前走で走っているコースというのにも注目しておきましょう。
血統ではトーセンファントム産駒、スズカフェニックス産駒が少ないですが好成績を残していて、騎手では横山典弘騎手、J.モレイラ騎手、C.ルメール騎手がこのコースを得意としています。
【傾向まとめ】
・内枠の逃げ、先行馬
・前走阪神、過去に札幌芝1500mで好走した馬に注目
・トーセンファントム産駒、スズカフェニックス産駒が好走
・横山典弘騎手、J.モレイラ騎手、C.ルメール騎手に注目
札幌コース/芝1800m
札幌2歳SやクイーンSが行われるコースとなっています。
スタンド前の直線から発走して、コーナーを4つ回るコースなので、全体的にペースが緩みやすく、逃げや先行馬に有利な展開になることが多くなります。
このコースでは、最後の直線が短くなっていることもあり、差し馬や追い込み馬にとっては厳しくなる展開が多いです。
一方、差しタイプでもロングスパートをかけて捲ることの出来る馬にはチャンスもあるのでマクリ合戦になることも多く、動きのあるレースが楽しめます。
このコースでは、キングカメハメハ産駒やディープインパクト産駒が好成績を残しており、函館同様に洋芝に適性のあるキングカメハメハ産駒は特に注目したい種牡馬となっています。
騎手では四位洋文騎手がこのコースを得意としていて、回収率や成績が安定しています。
また、J.モレイラ騎手とC.ルメール騎手も得意としているコースなので、注目しておきましょう。
【傾向まとめ】
・逃げ、先行馬有利 差しは捲れないときつい
・ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒が好成績(特にキングカメハメハ産駒は注目)
・四位騎手、J.モレイラ騎手、C.ルメール騎手が好成績(特に四位騎手には注目)
札幌コース/芝2000m
G2札幌記念が行われる舞台となっていて、4コーナー奥のポケット地点からスタートするコースとなっています。
レースはスローペースになることが多く、逃げ馬や先行馬に有利な展開になることが多くなっています。
ですが、ペースが遅すぎるとマクリをかます馬もいるので、スローになりすぎたときは荒れやすくなり、差し馬にも一気にチャンスが来ます。
このコースでは、ステイゴールド産駒やシンボリクリスエス産駒、ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒が好走する傾向にあり、特にステイゴールド産駒は回収率も高くなっているので注目です。
騎手ではC.ルメール騎手が抜けた好成績を残していて、福永騎手、モレイラ騎手と次いで良績を残しています。
特にこの条件のC.ルメール騎手の騎乗馬は連対率が一気に高くなるので、軸に最適といえるでしょう。
【傾向まとめ】
・逃げ、先行有利(差しが決まるときもあり中波乱傾向)
・ステイゴールド産駒、シンボリクリスエス産駒、ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒が好成績
・C.ルメール騎手、J.モレイラ騎手、福永騎手が好成績(ルメール騎手は買い)
札幌コース/芝2600m
向正面半ばからスタートして1周半回るコースとなっています。
コーナーを6回通るのでペースがスローになりやすいのに加え、洋芝の長距離ということもあるので、スタミナのある先行馬、ロスなく脚を溜められる内枠が有利な条件になります。
このコースで行われるレースは2周目の向正面からレースが一気に動き始め、最終的にスタミナのある馬が残る展開になることが多く、荒れやすいレースとなっています。
血統ではステイゴールド産駒、スクリーンヒーロー産駒、ディープインパクト産駒が好成績を残していて、特に長距離適性のあるステイゴールド産駒が好成績を残しています。
騎手では好相性のJ.モレイラ騎手、C.ルメール騎手に加え、福永騎手、古川吉洋騎手が良績を残しています。
【傾向まとめ】
・内枠の先行馬有利 荒れやすいレース
・ステイゴールド産駒、スクリーンヒーロー産駒、ディープインパクト産駒が好成績
・J.モレイラ騎手、C.ルメール騎手が優秀 福永騎手、古川騎手は回収率が高い
★ダートコース★
札幌コース/ダート1000m
2コーナー付近からスタートするコースで、最後の直線が短く、逃げ馬や先行馬が有利な展開になることが多いコースとなっています。
そのため後方からの差しや追い込みタイプは成績が悪くなっています。
枠に関しては7枠の逃げ馬と先行馬が好成績を残しており、穴目でも押さえておく必要があります。
血統ではアグネスデジタル産駒、スウェプトオーヴァーボード産駒、エンパイアメーカー産駒が好成績を残しており、連対率や回収率がすごく高くなっているので注目です。
騎手では、三浦皇成騎手、池添謙一騎手、松岡正海騎手の成績がよく、特に池添騎手は頭で来ることが多いので、馬単、3連単の頭固定で買うのもいいでしょう。
【傾向まとめ】
・逃げ馬と先行馬が有利
・7枠に注目
・アグネスデジタル産駒、スウェプトオーヴァーボード産駒、エンパイアメーカー産駒が好成績
・三浦騎手、池添騎手、松岡騎手が良績(特に池添騎手に注目)
札幌コース/ダート1700m
スタンド前の直線半ばからの発走で、重賞のエルムSが行われるコースとなっています。
逃げ馬や先行馬が有利なコースで、差し馬や追い込み馬は4コーナーの直線に入るまでに好位までポジションを上げないと厳しくなります。
基本は前目の馬が有利なので、後方から行く馬は人気にならないことが多いため、マクリが決まったときにはレースが荒れます。
このコースでは、アグネスデジタル産駒、スズカマンボ産駒、ディープインパクト産駒が好成績を残しています。
特にアグネスデジタル産駒は連対率、芝馬のイメージがあるディープインパクト産駒は札幌の高速ダートコースに適していることから穴でよく来るため、回収率が良くなっています。
騎手では岩田騎手、福永騎手、C.ルメール騎手が好成績を残しています。特にエルムSではここ5年で岩田騎手が3勝している相性のいいレースなので、注目しておきましょう。
【傾向まとめ】
・逃げ、先行馬が有利(マクリが決まると荒れやすい)
・アグネスデジタル産駒、スズカマンボ産駒、ディープインパクト産駒が好成績
・岩田騎手、C.ルメール騎手、福永騎手が好成績(特に岩田騎手が好相性)
札幌コース/ダート2400m
向正面半ばからの発走でダートコースを1周半するコースとなっています。
6つのコーナーを通るので、スローペースになりやすく、先行馬に展開が向くことが多くなっています。
また下級条件での施行が多いため、直線での差しきりは厳しく、差し馬は捲って4コーナーまでに好位につける必要があります。
好位でペースについていけるスタミナが必要なため、最後は持久力勝負になります。
このコースでは、ハーツクライ産駒、ワークフォース産駒、バゴ産駒、マーベラスサンデー産駒が好成績を残しています。
特にハーツクライ産駒、ワークフォース産駒は複勝率が高く、マーベラスサンデー産駒は回収率が高くなっています。
騎手ではJ.モレイラ騎手やC.ルメール騎手、吉田隼人騎手が好成績を残しています。
特にC.ルメール騎手はこのコースを得意としているので、軸に最適です。
【傾向まとめ】
・スタミナ重視
・好位につけられる先行馬有利
・ハーツクライ産駒、ワークフォース産駒、バゴ産駒、マーベラスサンデー産駒が好成績
・C.ルメール騎手、J.モレイラ騎手、吉田隼人騎手が好成績(特にルメール騎手は連対率が高く軸に最適)