福島競馬場の特徴とコース傾向を芝・ダートに分けて解説

福島競馬場は、東北地方にある唯一の中央競馬開催が行われる競馬場で、4、7、11月の3開催で開催されます。

このうち、7月の開催は東日本地区の主場開催として開催される競馬場です。

中央競馬を開催する競馬場では最も小さく、レースの大半を500万円以下条件戦と未勝利戦が占めるコースになっていて、重賞では福島牝馬S、ラジオNIKKEI賞、七夕賞、福島記念の4レースが開催されます。

福島コースの特徴

 福島競馬場は、中央競馬が開催される全10場の中で最も小さい競馬場となっており、小回りコースへの適性が予想の大きなカギになります。

また、3~4コーナーにかけて設けられているスパイラルカーブの影響でスピードが落ちにくく、勢いのあるスピーディーなレースが展開されます。

 この競馬場で行われるレースの大半が下級クラスのレースのため、全体的に力が拮抗し、荒れやすい競馬場とされています。

 小回りコースなので、芝・ダート共に先行勢に有利な展開(特に開幕週)になりやすくなっていますが、開催が進むと、芝コースは極端に外差しが決まりだすことが多くなります。

 馬場の傾向を見て予想するというのが、このコースの予想のポイントになります。

【傾向まとめ】

・芝・ダート共に先行勢に有利

・開催が進むと、芝コースは外差しが有利

・馬場の傾向を見て予想するのがポイント

・小回りコースへの適正がカギ

 

 

★芝コース★

福島コース/芝1000m

 2歳新馬戦でのみ行われるコースとなっています。

 向正面の直線の上りが急になる手前からの上りスタートになっていて、スタート直後が上り坂なのでテンのスピードの乗りがやや遅いが、大半の決着は逃げ・先行馬で決まるレースになりやすくなっています。

早めにコーナーに飛び込める上に、インぴったりを回れる逃げ馬が有利な展開になることが挙げられます。

 とにかく小回りコースなので、スタートが上手いかどうかがカギになってきます。

馬戦のみの開催のため、予想時には「発走」のところと調教での動き短距離適性のある血統であるかどうかを総合的に判断して予想するといいでしょう。

 このコースに強い血統などは特にありませんが、騎手ではスタートの上手い江田照男騎手の回収率が高めです。

【傾向まとめ】

・逃げ、先行馬有利

・スタートが上手い馬が中心

・江田照男騎手は買い

 

福島コース/芝1200m

 向正面ポケット地点からの発走で向正面はずっと上り坂を上る形になり、短距離らしいハナの取り合いが長引くと、先行馬総崩れになりやすいコースになっています。

 このコースでは逃げ、先行馬が相当有利です。ですが、ハナ争いが長引くと一気に差しの展開になるので、予想がちょっと難しいコースです。

 基本的に枠は内が優勢で、東京や阪神のタフな坂に苦戦していた馬が突然覚醒することがあるので、内に入って東京などで苦戦していた先行馬は穴になることがあります。

 血統ではサクラバクシンオー産駒、キングカメハメハ産駒、ベーカバド産駒が好成績を残しています。

特にベーカバド産駒は回収率がとても高いので、穴でも押さえておくといいでしょう。

 勝浦正樹騎手、戸崎圭太騎手、北村宏司騎手、吉田隼人騎手がこのコースを得意としており、信頼できるジョッキーです。

特に勝浦騎手はこのコースでの成績、回収率ともに高い数字を出しているので、軸にピッタリなジョッキーともいえるでしょう。

【傾向まとめ】

・内枠の先行馬有利

・展開を読むことが予想のカギ

・サクラバクシンオー産駒、キングカメハメハ産駒、ベーカバド産駒が優秀

・特にベーカバド産駒は回収率も高い

・戸崎騎手、吉田隼人騎手、北村宏司騎手、勝浦正樹騎手が好成績

・特に勝浦正樹騎手には注目

 

福島コース/芝1700m

 直近で1レースしかやっていない条件になり、おそらく今後はなくなるコース体系ではないかといわれています。

スタンド前直線半ばからスタートし、1コーナーまでの距離は205mと短く、1コーナーまでに並びが決まりづらい展開になることが多くなっています。

並びは2コーナーの終わり、向正面の出口までに決まるので、メリハリなく全体的に速い平均ペースになりやすいです。

なかなか並びが決まらずに、先行争いが長引けば差し馬が台頭してきます。

先行馬がどれだけいるかで展開が変わりやすいので、基本的には無理なく先行できる馬を探すのが最善ですが、展開次第では差しも届くので、展開の読みが重要になってきます。

【傾向まとめ】

・1コーナーまでに並びが決まりづらい

・基本は先行できる馬が有利

・先行争いが長引けば差し馬が台頭

 

福島コース/芝1800m

 スタンド前4コーナー付近からの発走となるコースで、重賞福島牝馬SやラジオNIKKEI賞などが実施されるコースです。

 基本的に下級条件(未勝利、500万下)では先行が有利で、人気のない馬が逃げ残って大穴をあけるケースがよく見られます。

また直線の短さから、差しタイプの人気馬が届かずに飛んでしまうこともよくあります。

 枠順で見るとそこまで差はありませんが、少し中枠は不利な傾向があるようです。中枠の逃げ馬は少し割引が必要かもしれません。

 血統で見ると、ディープインパクト産駒、メイショウサムソン産駒が好成績を残しています。

このコースで行われる福島牝馬Sでは2016年から3年連続でメイショウサムソン産駒が連対しており、ラジオNIKKEI賞ではディープインパクト産駒が勝ち馬になっています。(2017年は父ディープインパクトのディープブリランテ産駒)

 このコースでは、戸崎騎手、勝浦騎手、吉田隼人騎手、柴田大知騎手が好成績を残しています。

特に柴田大知騎手は中穴人気の馬を持ってくることが多いので、人気薄でも押さえておくのが良いでしょう。

【傾向まとめ】

・先行馬が有利

・ディープインパクト産駒、メイショウサムソン産駒は注目

・戸崎騎手、勝浦騎手、吉田隼人騎手、柴田大知騎手に注目

 

福島コース/芝2000m

 福島記念、七夕賞といった重賞が行われるコースとなっています。

1800m戦に比べて、前傾ラップになりやすく、展開次第で差し・追い込み有利な展開になることもしばしばあります。

このコースでは、ハイペースにも対応できる先行力を持ったスタミナのある馬が優秀な傾向にあります。

 開催後半になると、このコース自体が外差しばかりで決まることが多くなってしまうため、内枠にとっては展開が向きにくいこともよくあります。

 血統面では、コンデュイット産駒、ブラックタイド産駒、ディープインパクト産駒が好成績を残しています。

七夕賞に限ると、16年、17年と2年連続でディープインパクト産駒が連対しているので、注目しておくといいでしょう。

 好成績を残している騎手は、吉田隼人騎手、津村明秀騎手、丹内祐次騎手、大野拓弥騎手です。

特に大野騎手は15年の七夕賞で最低人気馬を3着に持ってきて100万馬券に貢献しているジョッキーです。

回収率が高いので、注目しておきましょう。

【傾向まとめ】

・ハイペースに強い先行馬が有利

・コンデュイット産駒、ディープインパクト産駒、ブラックタイド産駒が優秀

・吉田隼人騎手、津村明秀騎手、丹内祐次騎手、大野拓弥騎手が良績

・特に大野騎手は回収率も高く、注意が必要

 

福島コース/芝2600m

 向正面直線の上り坂からスタートし、コーナーを6回通るコースとなっています。

コーナーが多いので内枠の馬が有利になることが多く、スローペースになりやすいことから、先行馬を軸にするといいでしょう。

ですが、開催が後半になるにつれて、内馬場が荒れてくるため、外差しが決まりやすくなることがあります。

馬場状態を加味して展開を予想する必要があります。

 血統面では、タニノギムレット産駒やゴールドアリュール産駒が好成績を残しています。

とにかくこのコースではスタミナが必要なので、ダートタイプのゴールドアリュール産駒などが走るようになっているのだと言えるでしょう。

 このコースでは内田博幸騎手と蛯名正義騎手が好成績を残しています。

特に蛯名騎手は穴人気でも突っ込んでくることが多いので、差し馬に乗っている際は注目しておきましょう。

【傾向まとめ】

・内枠の先行馬有利→開催後半は外の差し馬

・タニノギムレット産駒、ゴールドアリュール産駒が好成績

・内田博幸騎手、蛯名正義騎手

・穴の差し馬に乗っている蛯名騎手には注意

 

★ダートコース★

福島コース/ダート1000m

 向正面中間からスタートするコースで、フルゲートは12頭となっています。

夏の福島開催で少ししか使われないコースとなっています。

ダートコースも芝コース同様、スパイラルカーブの影響を受けてスピードが落ちにくくなっているので、基本的にはスッとポジションが取れる外枠の先行馬が有利になっています。

また、差し馬や追い込み馬には展開が向かないことが多いので、このコースでは割引が必要です。

 血統ではサウスヴィグラス産駒やサクラバクシンオー産駒といった短距離向きの血統が優秀な成績を残していて、騎手では勝浦正樹騎手と中谷雄太騎手が好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・外枠の先行馬が有利 差し、追い込みは割引が必要

・サウスヴィグラス産駒、サクラバクシンオー産駒が好成績

・勝浦騎手、中谷雄太騎手が好成績

 

福島コース/ダート1150m

 2コーナーポケットの芝から発走するコースで、1000mと比べてフルゲートで16頭取れるコースとなっています。

1000mよりも先行争いが激しくなるため、ハイペースになりやすく、差し馬が一気に台頭しやすくなるコースです。

 逃げ馬にとっては、辛いペースになることが多いので、軸馬としては先行して好位をとれる馬を軸に、展開によって相手に逃げ、差しを組み合わせると当たりやすいコースです。

 このコースでは、ケイムホーム産駒が高い回収率を誇り、その他にもスウェプトオーヴァーボード産駒、サウスヴィグラス産駒といったダート短距離で結果を残している血統が好成績を収めています。

 騎手では北村宏司騎手、横山典弘騎手、中谷雄太騎手が好成績を残しています。

特に中谷雄太騎手は回収率がずば抜けて高い穴メーカーであるので、要注意です。

【傾向まとめ】

・先行馬有利、展開によって逃げ残りや追い込みが決まる

・ケイムホーム産駒、サウスヴィグラス産駒、スウェプトオーヴァーボード産駒が優秀

・北村宏司騎手、横山典弘騎手、中谷雄太騎手が好成績

・特に中谷騎手の回収率がとても高いので要注意

 

福島コース/ダート1700m

 スタンド前を発走するコースでダートコースを1周するコースとなっています。

先行争いが激しくなりやすくなっていますが、1コーナー辺りでポジションが落ち着いて逃げ馬が単騎でハナをとれる展開になりやすくなっています。

そのため、逃げ、先行馬に有利な展開になることが多く、差し馬は3コーナー付近から捲ってポジションを上げられなければ、チャンスはないと言えるコースです。

またこのコースでは、特に1番人気の勝率が良くないことから、荒れやすいコースともなっています。

 血統で見ると、キングカメハメハ産駒やメイショウボーラー産駒が好成績を残していて、騎手では戸崎騎手や横山典弘騎手、内田博幸騎手が好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・逃げ、先行馬がとても有利 差し馬は捲れないときつい

・キングカメハメハ産駒、メイショウボーラー産駒が好成績

・戸崎騎手、横山典弘騎手、内田騎手が好成績

 

福島コース/ダート2400m

 2コーナー出口付近からの発走で、小回りの長距離ダートコースとなっています。

コーナーを6回通ることから、ペースはスローになりやすく、前目のポジションを2周目の3コーナー付近で取れていないと展開的に厳しくなることが多いコースになっています。

 とにかくこのコースではスタミナのある馬が中心で、バテない逃げ、先行馬が勝つケースが多くなっています。

また、枠順に有利不利はなく、スタミナ勝負に持ち込まれることが多くなっています。

 このコースでは、クロフネ産駒やネオユニヴァース産駒が好成績を残しており、ダートを得意とするスタミナタイプの血統には注目しておくといいでしょう。

 またこのコースでは、加藤祥太騎手と丸田恭介騎手が好成績を残しています。

特に加藤祥太騎手は捲って1着などもできるので、差し馬までの警戒が必要なジョッキーとなっています。

【傾向まとめ】

・逃げ、先行馬が有利 スタミナのある馬が中心

・クロフネ産駒、ネオユニヴァース産駒が好成績

・加藤祥太騎手、丸田恭介騎手が好成績

・特にマクリが打てる加藤祥太騎手には要注意

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