東京競馬場の特徴とコース傾向を芝・ダートに分けて解説

東京競馬場は東京都府中市にあり、日本ダービーや天皇賞・秋、ジャパンカップなど数々のビックレースが行われる日本競馬の顔と呼ばれるに相応しいスケールの競馬場です。

最後の直線の長さも約525m(芝コース)と長く、高低差も約2mととてもタフなコース設定になっており、中央競馬が開催される全10場の中で、馬の能力が一番反映される競馬場と言えるでしょう。

今回はそんな東京競馬場の特徴を解説していきたいと思います。

東京コースの特徴

 東京競馬場は、芝コース1周2083m(Aコース使用時)、ダートコース1周1899mと新潟競馬場に次ぐ広さを誇る競馬場になっていて、

最後の直線の長さと高低差約2mのダラダラ続く坂は中央競馬の開催される競馬場の中でも一番タフな直線と呼ばれています。

 芝コースはAコース~Dコースまで用意されており、長い開催でも安定して芝の状態を保つことができるような工夫がされています。

 脚質としては、芝コース全体として差し馬が有利な傾向にありますが、開幕週は逃げ馬や先行馬が残りやすくなる傾向で、

ディープインパクト産駒などの瞬発力のある血統が好成績を収めています。

 ダートコースは、2月にG1フェブラリーステークス(ダート1600m)が開催されるなど、中央競馬トップクラスのタフなコースとなっています。

また、ダートは逃げ馬や先行馬が有利とされていますが、直線の長さやダラダラ続く上り坂の影響で、逃げ馬の脚が止まりやすく、差し馬が好成績を収めており、馬格のある馬も好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・芝・ダート共に差し馬が有利

・ディープインパクト産駒が好成績

・ダートは馬体の大きい馬が好成績

・穴は逃げ馬を狙うと◎

 

 

★芝コース★

東京コース/芝1400m

 芝1400mは向正面からのスタートとなり、300mほどで3コーナーを迎えるため、ハイペースになりにくいコースになっています。

他の競馬場の芝1400mでは前が速いペースになりやすくなっていますが、東京競馬場はほとんどの条件で各馬が余力を持って直線を迎えるために、ヨーイドンの競馬になりやすくなっています。

そのために逃げ・先行馬が波乱を演出しやすく、例えばこのコース形態で行われた2017年5月のG2京王杯スプリングステークス(13頭立て)では、3番手を追走した11番人気クラレントが2着に入り、3連単17万馬券と波乱を演出しました。

 東京競馬場ではセオリーとして差し馬が有利とされていますが、芝1400mでは先行馬(できればロスの少ない内枠)がやや有利な傾向があります。

産駒ではダイワメジャー産駒やマツリダゴッホ産駒、ローエングリン産駒が活躍しています。

騎手はC.ルメール騎手と福永祐一騎手、戸崎圭太騎手が好走しています。

 このコースは、1200mを中心に走るスプリントタイプよりも1600mをこなすことの出来るマイラータイプが好走する傾向にあります。

【傾向まとめ】

・内枠の先行・差し馬が有利

・ダイワメジャー産駒、マツリダゴッホ産駒、ローエングリン産駒が好走傾向

・C.ルメール騎手、戸崎圭太騎手、福永祐一騎手が好成績

・前走の距離1600m組が好走

 

東京コース/芝1600m

 この距離は5月のNHKマイルカップ、ヴィクトリアマイル、6月の安田記念と3つのG1レースが行われる舞台となっていて、純粋なマイルタイプよりも中距離を走ることの出来る馬の方が好走を収める傾向にあります。

2015年の安田記念を制したモーリス(2016年天皇賞・秋制覇)や2016年の安田記念を制したロゴタイプ(2013年皐月賞制覇)などがその傾向に合致します。

 この距離はクラスが上に上がるほど、差し馬の台頭が多くなり、逃げ馬には辛くなることが多くなります。

そのため、逃げた馬が穴をあけるケースも多く、先に挙げたロゴタイプも勝った安田記念では、8番人気の単勝36.9倍ながら逃げて1着になり、波乱を演出していました。

 このコースで好成績を収めている血統では、ディープインパクト産駒やクロフネ産駒、メイショウサムソン産駒が好走しています。

特にメイショウサムソン産駒では、2017年のヴィクトリアマイルで2着に入ったデンコウアンジュなど、好走が目立つ産駒になっています。

 また、このコースを得意とする騎手は、C.ルメール騎手や戸崎騎手、三浦皇成騎手や田辺裕信騎手などが得意としています。

【傾向まとめ】

・差し馬が有利

・中距離タイプが好走

・穴は逃げ馬

・田辺騎手、三浦騎手、戸崎騎手、C.ルメール騎手に注目

・メイショウサムソン産駒、クロフネ産駒、ディープインパクト産駒が好成績

 

東京コース/芝1800m

 この距離は重賞毎日王冠やエプソムカップ、共同通信杯などが行われる舞台です。

スタートしてすぐにコーナーを回るため、外枠は不利な傾向にあります。

そのためか、先行して好位から伸びる馬が勝つケースが多くなっていますが、速い上がりが求められるコースとなっており、2着3着の組み合わせで見ると、差し・追い込みタイプも届いています。

そのため組み合わせの関係で小~中波乱が起こりやすくなっています。

 このコースでは、ディープインパクト産駒やダノンシャンティ産駒が好成績を残しています。

2017年のこのコースで行われた毎日王冠では、1着リアルスティール、2着サトノアラジン、3着グレーターロンドンの3頭が全てディープインパクト産駒となっていました。

 このコースでは、M.デムーロ騎手と戸崎騎手が好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・先行~差し馬が有利

・枠は内枠が有利

・ディープインパクト産駒、ダノンシャンティ産駒が好成績

・得意な騎手はM.デムーロ騎手、戸崎騎手

 

東京コース/芝2000m

 1コーナー奥のポケットからスタートし、2コーナーまでの距離が短くなっているため、多頭数になったときの外枠は不利な傾向にあります。

 このコースでは、G1天皇賞秋が行われるコースになっています。

下級条件では先行馬が有利になっていますが、クラスが上がると差し馬が活躍することが多くなっています。

また、馬場状態にもよりますが、このコースで行われる重賞フローラSでは、タフな馬場をこなせる馬が活躍し、天皇賞秋では上がり最速の馬が活躍する傾向にあります。

 このコースではキングカメハメハ産駒やディープインパクト産駒といった東京コースを得意とする産駒が好走する傾向にありますが、それ以外にもハービンジャー産駒やヴィクトワールピサ産駒も好走傾向にあります。

 また、ルメール騎手がこのコースを得意としており、加藤征弘厩舎の管理する馬に乗っている場合は連対率が5割近くになるので要注意です。

【傾向まとめ】

・内枠が有利

・前走上がり最速馬に注目

・ディープインパクト、キングカメハメハ、ヴィクトワールピサ、ハービンジャー産駒が活躍

・C.ルメール騎手×加藤征弘厩舎に注目

 

東京コース/芝2300m

 年に2鞍のみ組まれているマイナー条件です。速い上がりに対応できる馬が勝つケースが多くなっています。

 このコースでは、未勝利、500万下で行われている条件ですが、ここを活躍した馬は重賞でも連対する馬が出るなど、侮れない条件戦となっています。

 2014年の未勝利では、長距離戦で活躍するプレストウィック、トゥインクルが2、3着に入っています。

 このコースでは母数が少ないために信頼性がやや低いですが、ハービンジャー産駒が好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・ハービンジャー産駒

・前走上がり最速馬が活躍しやすい

 

東京コース/芝2400m

 このコースでは、日本ダービー、オークス、ジャパンカップなど日本を代表するチャンピオンを決めるG1レースが実施されるコースとなっています。

 基本的には長距離戦となるので、スローペースからの瞬発力勝負となることが多いのですが、逃げ馬が作るペースによって勝ち馬の脚質が変化することが多くあります。

そのため、スピード、スタミナがバランスよく求められるコースとなっています。

 このコースではハーツクライやディープインパクト、キングカメハメハ、タニノギムレットといった長丁場で力を発揮できる産駒が強い傾向にあります。

実際、2017年のジャパンカップでは、勝ち馬にハーツクライ産駒のシュヴァルグラン、2着にキングカメハメハ産駒のレイデオロが入るレースとなりました。(3着キタサンブラック)

 騎手ではM.デムーロ騎手やC.ルメール騎手が好成績を残していますが、馬券に絡むという形では蛯名正義騎手が中穴人気の馬を絡めることがありますので、押さえておきたいところです。

 2018年4月このコースで行われた重賞青葉賞では、ハーツクライ産駒の6番人気ゴーフォザサミットを1着に持ってきており、中穴人気でも押さえておく必要があるでしょう。

【傾向まとめ】

・瞬発力のある差し馬中心

・ハーツクライ産駒、キングカメハメハ産駒は注意

・M.デムーロ騎手、C.ルメール騎手、蛯名騎手に注目

 

東京コース/芝2500m

 重賞アルゼンチン共和国杯、目黒記念の2レースのみが実施されるコースとなっています。

ダービーが行われる芝2400mコースよりもスタート位置が100m後ろになっただけなので、基本的にはダービーと同じコースを走ることになりますが、直線のダラダラとした坂を2回上ることもあり、スピード、スタミナ以外の持久力も求められます。

 このコースでは、芝2400と同じようにハーツクライ産駒やキングカメハメハ産駒が活躍する傾向にあります。

2017年に行われた目黒記念で勝ったフェイムゲームやアルゼンチン共和国杯を勝ったスワーヴリチャードはともにハーツクライ産駒であったことから適性があるといってもいいでしょう。

 騎手では、福永祐一騎手と戸崎圭太騎手が好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・ハーツクライ産駒、キングカメハメハ産駒

・持久力のある差し馬に注目

・福永祐一騎手、戸崎圭太騎手に注目

 

東京コース/芝3400m

 このコースでは重賞のダイヤモンドステークスのみが実施されているコースとなっています。

豊富なスタミナと持久力が求められているコースになっているので、差し馬や追い込みタイプの馬が馬券に絡むことがよくあります。

 このコースでは枠順の有利不利はありませんが、1枠と6枠の連対率が若干高くなっています。

またこのコースでは、ハーツクライ産駒が好成績を収めています。

2017年のダイヤモンドステークスで3着に入ったカフジプリンスや、2018年のこのレースを勝ったフェイムゲームなどがこの条件に当てはまります。

 このコースでは内田博幸騎手や北村宏司騎手が好成績を収めています。

【傾向まとめ】

・差し馬、追い込み馬が優勢

・ハーツクライ産駒

・内田博幸騎手、北村宏司騎手が好成績

 

★ダートコース★

東京コース/ダート1300m

 ダート1300mは先行馬が有利になっているが、直線の長さを生かして伸びてくることが出来る、アメリカダートの血統を持っている馬が好成績を収める傾向があります。

また、差し馬も届くことが多く、逃げ馬の勝率は他の中央競馬のダートコースと比べて、連対率が低くなる傾向にあります。

 このコースではパイロ産駒、プリサイスエンド産駒、ファスリエフ産駒などのアメリカンダート血統が好成績を収めています。

タフな馬場に適応でき、長い直線でも脚を持続させて使うことが出来る傾向があるので、ここに適性があるのではないかと思います。

 騎手では、北村宏司騎手や横山典弘騎手が好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・先行馬、差し馬が有利

・アメリカダート血統が好成績(パイロ産駒、ファスリエフ産駒、プリサイスエンド産駒)

・北村宏司騎手、横山典弘騎手は注目

 

東京コース/ダート1400m

 重賞根岸Sなどが行われるコースになっています。

ダート1400mを実施するコースでは、唯一のダートスタートコースとなっています。

 このコースでは基本的には先行馬が有利な傾向にありますが、上級クラスになるほど、差し馬や追い込み馬が届く傾向にあります。

2017年の勝ち馬であるカフジテイクや2018年の勝ち馬ノンコノユメなどは、追い込み脚質で届いて勝っています。

また、伝説の追い込みなどで有名になっているブロードアピールもこの根岸Sで豪脚を披露し、一躍有名になりました。

 産駒としては、ファスリエフ産駒、カネヒキリ産駒、プリサイスエンド産駒が好成績を残しています。

馬場が不良になるほど、プリサイスエンド産駒、ファスリエフ産駒の成績が良くなっています。

 このコースではルメール騎手、内田騎手が好成績を残しており、注意が必要でしょう。

【傾向まとめ】

・先行、差し馬が注目

・上級になれば追い込みが届く

・ファスリエフ産駒、プリサイスエンド産駒、カネヒキリ産駒が好成績

・C.ルメール騎手、内田騎手が好相性

 

東京コース/ダート1600m

 G1フェブラリーステークス、重賞武蔵野ステークスなどが行われるコース形態となっており、ダートのマイル戦ですが、1800mで活躍する馬の方が好走する傾向にあります。

また、差し馬の活躍がこのコースではよく見られます。

このコースでは、芝からの発走となるため、芝を長く走れる外枠(7・8枠)の方が有利です。

2018年のフェブラリーステークスでは7枠14番のゴールドドリームが2着に入っており、5月13日の青竜ステークスでは8枠12番のグリムが5番人気で勝っているなど、外枠が優勢になっています。

 このコースを得意としている産駒では、タピット産駒やカジノドライヴ産駒といったアメリカダート血統が好成績を残しています。

また、ゴールドアリュール産駒やゼンノロブロイ産駒もよく走ります。

この血統を父に持つ馬には注目しておくといいでしょう。

 騎手では、C.ルメール騎手や東京コースを得意としている戸崎騎手が好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・外枠が有利

・差し馬や追い込み馬に注目

・タピット産駒、カジノドライヴ産駒、ゼンノロブロイ産駒、ゴールドアリュール産駒に注目

・C.ルメール騎手、戸崎騎手が好相性

 

東京コース/ダート2100m

 このコースではオープンのブラジルカップなどが実施されるコースとなっています。

多頭数になると、スタートで外枠は長い距離を走らされることになり、また内枠は包まれる可能性が高くなるため、中枠(3~5枠)の先行馬が有利です。

また、ペースも落ち着きやすいので、逃げ馬も残るケースがよくあります。

 力の要る馬場を長く走るので、アメリカダートに強い血統やキングカメハメハ産駒、カネヒキリ産駒、ネオユニヴァース産駒が好成績を残しています。先述したゴールドアリュール産駒ですが、この条件では人気ほど好走しておらず、頭で買いづらい存在となっています。

 この条件を得意としている騎手ですが、北村宏司騎手と戸崎圭太騎手が好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・極端な内枠と外枠は不利、中枠が好走多い

・キングカメハメハ産駒、カネヒキリ産駒、ネオユニヴァース産駒に注目

・北村宏司騎手、戸崎圭太騎手が好成績

 

東京コース/ダート2400m

 スタートは4コーナー過ぎの直線の入り口をスタートして、ダートコースを1周する形になります。

2月の開催で1度だけ行われる条件になっており、サンプル数が少なくなっています。

しかしながら、脚質の有利不利、枠順の有利不利はそこまで関係なく、純粋にこのコースをこなすことが出来るスタミナとパワー、スピードを兼ね備えた馬が勝つ傾向にあります。

 血統としては、唯一キングカメハメハ産駒だけが複数回馬券に絡んでおり、長丁場をこなすタフさを持っていることが関係していると思われます。

また、内田博幸騎手がこのコースで何度も馬券に絡んでおり、好相性といえるのではないでしょうか。

【傾向まとめ】

・キングカメハメハ産駒

・脚質や枠の有利不利は少ない

・内田博幸騎手が得意としている

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