中山競馬場の特徴とコース傾向を芝・ダートに分けて解説

中山競馬場は千葉県船橋市にあり、年末のグランプリ有馬記念が行われる舞台となっています。

日本唯一の障害G1レースが行われる競馬場でもあり、中山グランドジャンプと中山大障害の二つのレースが行われます。

このコースでは、障害や有馬記念以外にもクラシック第1戦の皐月賞、秋G1初戦となるスプリンターズS、2歳年度王者を決めるホープフルSなどのG1レースが行われます。

中山コースの特徴

 中山競馬場は、芝内回りと外回りの2種類が設けられており、日本一ともいえる急な上り坂と高低差を誇るコースとなっています。

その影響で適性の差がハッキリするため、荒れるレースが多くなるトリッキーコースとされています。

 また、コースによって枠順・脚質に有利・不利の差が出やすいため、脚質と枠順がレースを大きく左右するコースともなっています。

 夏競馬明けの9月開催以外は力の要る馬場になりやすく、パワーのある馬が好成績を残す一方、トライアルレースなどが多数組まれるようになる9月開催では、芝の状態が回復しているためにスピード勝負に強い馬が好走する傾向にあります。

 また芝コースでは1800m以下のレースでは内枠の先行馬に有利な展開であるのに対し、2000m以上では差し馬が一気に対等し始めることから枠順と脚質が大きな差を生むコースとなっています。

そのため予想も、コース形態によって特に変化させる必要があるコースと言えます。

【傾向まとめ】

・9月開催以外はパワーのある馬が好成績

・9月開催では、スピード勝負に強い馬が好走

・1800m以下は先行有利

・2000m以上は先行と差しが好成績

 

 

★芝コース★

中山コース/芝1200m

 秋G1初戦のスプリンターズSが開催されるコースとなっています。

外回りの向正面をスタートし、4コーナー前までの下り坂を一気に下るコースとなっています。

 直線が約310mと短くなっていて、最後に急な上り坂を走ることになるので、内枠の先行馬に有利な展開になりやすいが、馬場が荒れていたり、ハイペースになると一気に差し馬に有利な展開になりゴール前で形勢が逆転することも多々あります。

 このコースでは、アドマイヤムーン産駒や、頭数こそ少ないですがサクラプレジデント産駒が好成績を残しています。

特にアドマイヤムーン産駒はスプリンターズSでの好走歴が多く17年でも中穴人気の馬で3着に入るなど、高配当を演出しているので、注目です。

 騎手ではM.デムーロ騎手や戸崎圭太騎手、横山典弘騎手が好走していて注目です。

【傾向まとめ】

・内枠の先行狙いが基本、展開によって一気に差し有利になるため、展開の読み重要

・アドマイヤムーン産駒、サクラプレジデント産駒が好走

・アドマイヤムーン産駒は特にスプリンターズSで注目

・M.デムーロ騎手、戸崎圭太騎手、横山典弘騎手が好走傾向

 

中山コース/芝1600m

 重賞が多数行われるコースで、京成杯AHやニュージーランドTなどが行われるコースとなっています。

1コーナー横のポケット地点を発走し、外回りコースを回っていくコースは内枠の馬が有利で、外枠の馬は常に外を回らされることになり、かなり不利になります。

特に外枠で差し脚質の馬が終始外を回らされて、展開が向きにくくなることが多いです。

ペースが速くなると一気に差し馬に有利な展開になりやすい傾向にあります。

 また2、3歳限定戦は基本的に前につけた馬でないとチャンスが来づらいので注意が必要です。

 血統ではディープインパクト産駒、マンハッタンカフェ産駒、ハービンジャー産駒が有利で、騎手では戸崎騎手が好成績を残しており、回収率の面では田辺裕信騎手とA.シュタルケ騎手が抜群の成績を残しています。

短期騎乗で来ることが多いA.シュタルケ騎手には、注目してほしい条件になります。

【傾向まとめ】

・内枠の先行馬有利(差しは展開を読んで買うか検討必要)

・ディープインパクト産駒、マンハッタンカフェ産駒、ハービンジャー産駒が好成績

・戸崎騎手、田辺騎手、A.シュタルケ騎手が好成績

・短期騎乗で来ているときのA.シュタルケ騎手には要注目

 

中山コース/芝1800m

 スタンド前の直線半ばからスタートするコースで、フラワーCや中山記念などの重賞が行われます。

スタート後すぐに急坂の上りを迎えるので、スローペースになりやすく、内枠の逃げ馬と先行馬に展開が向きやすい傾向にあります。

この条件は特に外枠がきつい傾向にあります。

 秋開催になると馬場状態がよくなり、スピードが出やすくなっており、スピードタイプに強い馬に注目しておきたいところです。

 血統ではマンハッタンカフェ産駒やディープインパクト産駒、ロージズインメイ産駒が好成績を残しており、特にロージズインメイ産駒は回収率が高くなっているので、注目です。

 騎手では、北村宏司騎手と岩田康誠騎手が好成績を残しています。

岩田騎手は連対率が高く、北村宏司騎手は複勝率が高いので、注目しておきましょう。

【傾向まとめ】

・内枠の逃げ、先行馬に有利なコース

・マンハッタンカフェ産駒、ディープインパクト産駒、ロージズインメイ産駒が好成績

・特にロージズインメイ産駒は回収率が高いので注目

・北村宏司騎手と岩田康誠騎手には注目

 

中山コース/芝2000m

 牡馬クラシックの初戦である皐月賞や新年1発目の重賞中山金杯が行われるコース形態となっています。

4コーナー過ぎの直線入り口をスタートするコースで、冬開催や春開催ではスタミナ系、9月開催ではスピード系が有利になっています。

 先行~中団でレースを進めることができる馬に有利になっており、18年の皐月賞では1~3着までが5番手以内で競馬を進めていたエポカドーロ、サンリヴァル、ジェネラーレウーノの3頭での決着だったことを考えると、その傾向にあると言えると思います。

 血統ではディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒、ドリームジャーニー産駒、バゴ産駒が好走しています。

特にこの条件の冬開催では、バゴ産駒とドリームジャーニー産駒の活躍が多く見られるので、12~1月の中山芝2000mではバゴ産駒とドリームジャーニー産駒に注目です。

 騎手では18年の皐月賞を勝った戸崎圭太騎手や柴山雄一騎手、C.ルメール騎手がこの距離を得意としていて、好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・先行~中団で競馬ができる馬が有利

・ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒、ドリームジャーニー産駒、バゴ産駒に注目

・特にバゴ産駒とドリームジャーニー産駒は冬よく走る

・戸崎騎手、柴山騎手、C.ルメール騎手が好走傾向

 

中山コース/芝2200m

 スタンド前の直線からの発走で、外回りコースを使用することになっており、オールカマーやAJCC、セントライト記念などの重賞競走が行われます。

 このコースでは先行馬の成績が良くなっており、クラスが上級に上がるにつれて逃げ残りが厳しくなる傾向にあります。

また、リピーターの多いコースとなっていて、過去の中山同距離で行われたレースで好走していた馬が、再度好走するというケースがよくあります。

17年1月に行われたAJCCで勝ったタンタアレグリア(父ゼンノロブロイ)は、9月の同条件で実施されたオールカマーで、休み明けながら3着に好走していたことなども挙げられます。

 この条件ではステイゴールド産駒、ドリームジャーニー産駒、スクリーンヒーロー産駒が好走傾向にあり、騎手では北村宏司騎手、田辺騎手、戸崎騎手が好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・先行馬有利

・上級クラスになると逃げ残りは厳しい

・リピーターに注目(過去同条件のレースで好走している馬は注目)

・ステイゴールド産駒、ドリームジャーニー産駒、スクリーンヒーロー産駒に注目

・北村宏司騎手、戸崎騎手、田辺騎手が好成績

 

中山コース/芝2500m

 1年を締めくくるグランプリ有馬記念や重賞の日経賞などが行われるコースとなっています。

外回りからの発走で、外→内回りコースを走り、コーナーを6回通過します。

道中はスタミナの要るコースで、ゆったりしたペースになりますが、2周目の3コーナーからレースが一気に動くようになり、マクリ気味の差しや追い込みが決まったりするケースが多くなっています。

 全体を通じてスタミナ、パワーが必要なコースとなっているので、そういったタイプの馬を選んでいくと良い傾向にあります。

 血統ではネオユニヴァース産駒、ステイゴールド産駒、スクリーンヒーロー産駒が好成績を残しています。

 また騎手では、14年の有馬記念を制した戸崎騎手や15年の有馬記念を勝利した吉田隼人騎手、岩田騎手、C.ルメール騎手に注目です。

【傾向まとめ】

・ペースが一気に動きやすく、マクリや差しが決まりやすい

・ネオユニヴァース産駒、ステイゴールド産駒、スクリーンヒーロー産駒に注目

・戸崎騎手、吉田隼人騎手、岩田騎手、C.ルメール騎手に注目

 

中山コース/芝3600m

 重賞ステイヤーズSのみで行われるコースとなっていて、スタンド前から発走し、内回りコースを2周するコースとなっています。このコースがJRAの平地競争の中で最長のコースになります。

 2周目の3コーナー付近から徐々にペースが速くなり、最後はスタミナを残すことができた差し馬などが一気に台頭してくるので、逃げ馬にとってはかなり不利なレースとなっています。

 血統で見ると15~17年の同レースで3連覇しているアルバートがいるため、血統ではアドマイヤドン産駒の回収率、勝率が群を抜いています。

他には長距離適性のあるネオユニヴァース産駒なども好成績を残しています。

 騎手ではこの期間に来ることの多いR.ムーア騎手がアルバートで3連覇を達成したため、R.ムーア騎手の成績が抜けて良くなっています。

また長距離に強い横山典弘騎手も好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・差し馬が有利 逃げ馬の粘りこみはかなり厳しい

・アドマイヤドン産駒、ネオユニヴァース産駒が好成績

・R.ムーア騎手と横山典弘騎手には注目

 

★ダートコース★

中山コース/ダート1200m

 重賞のカペラSなどが行われるコースとなっており、芝を発走してダートコースに合流するため、芝を長く走って好位をとれる外枠の馬が好成績を残しています。

基本的にこのコースでは外枠(8枠)の先行馬を押さえるのがセオリーですが、内枠でもダッシュ力のある先行タイプがいる場合は注意が必要です。

 先行タイプの馬の数が多いかどうかで、脚質に有利不利の差が出てきます。

基本は逃げや先行が有利なコースですが、ハナの取り合いに時間がかかったり、ハイペースになると、急坂で先行馬が全滅することもよくあります。

先行馬が中心にはなりますが、展開なども考慮しておく必要があるので要注意です。

 血統でいえばサウスヴィグラス産駒とダイワメジャー産駒が好成績を残しており、騎手では戸崎騎手が抜群の成績を残しています。

他にも蛯名正義騎手、横山典弘騎手などが、この条件で抜けた成績を残しているので、押さえまでには確実に入れておくといいでしょう。

【傾向まとめ】

・外枠の先行馬が有利、先行タイプの数には注意

・サウスヴィグラス産駒、ダイワメジャー産駒が優秀

・戸崎騎手は買い

・蛯名正義騎手、横山典騎手にも注目

 

中山コース/ダート1800m

 スタンド前坂の手前からスタートするコースで、重賞マーチSなどが行われるコースとなっています。

スタートしてすぐに坂を迎えるのでペースは落ち着きやすく、また最初のコーナーを迎えるまで距離があるため、中~外枠の逃げ、先行馬がポジションを取りやすくなっており、有利になっています。

差し、追い込みタイプは、最後の4コーナーまでにポジションを上げておく必要があり、捲ることの出来るスタミナのある馬が台頭します。

 血統ではキングカメハメハ産駒、ハーツクライ産駒、アイルハヴアナザー産駒が好成績を残しており、特に種牡馬として近年ダートで勝利の増えているアイルハヴアナザー産駒には注目しておきたいところです。

 騎手ではこのコースを武豊騎手、田辺騎手、戸崎騎手が好成績を残しています。

特に武豊騎手は、関西での騎乗が多いため、中山にいる機会が少ないですが、いるときには好走することが多いので、中山で武豊騎手が騎乗している際には押さえておくといいでしょう。

【傾向まとめ】

・中~外枠の逃げ、先行馬が有利

・差しタイプはポジションを上げられる馬を中心に

・キングカメハメハ産駒、アイルハヴアナザー産駒、ハーツクライ産駒に注目

・特にアイルハヴアナザー産駒は近年成績が優秀で要チェック

・武豊騎手、田辺騎手、戸崎騎手に注目

 

中山コース/ダート2400m

 向正面をスタートして1周半回るコースになっています。条件としては古馬の500万下、1000万下の条件で行われます。

 中山ダートコースの基本である先行タイプが有利なことに変わりはありませんが、差しやマクリは1800mと比べると決まりづらいコースになっています。ペースが落ち着きやすいので、できるだけ好位をとれる馬を中心に狙いたいレースです。

 また、ここでの1番人気馬の信頼度は低く、穴狙いの方にはうってつけの条件になることが多いです。

特に単勝オッズが3倍以上の場合は1番人気が危険なことが多いので、オッズも含めて予想するといいでしょう。

 血統ではキングカメハメハ産駒、アグネスデジタル産駒、ウォーエンブレム産駒の成績が優秀で、特に好走傾向にあるウォーエンブレム産駒と連対率の高いキングカメハメハ産駒には注目しておくといいでしょう。

 騎手では蛯名騎手と田辺騎手がこの条件でよく好走しています。

【傾向まとめ】

・先行馬が有利、差しにはチャンスが少ない

・1番人気のオッズも予想の参考に

・人気馬が飛びやすいレース

・キングカメハメハ産駒、アグネスデジタル産駒、ウォーエンブレム産駒が好走

・田辺騎手、蛯名騎手に注目

 

中山コース/ダート2500m

 向正面をスタートするコースで、古馬500万下で年間に1レースだけ、12月に行われる条件になっています。

 基本的にはダート2400m戦と変わらず、先行馬に有利な流れになります。

また、前走中山のダート2400mで好走していた馬はこの条件でも好走する傾向にあります。

そのため、「リピーター」の馬に注目しておくといいでしょう。

 血統ではステイゴールド産駒、キングカメハメハ産駒が好走している傾向にあります。

騎手では、500万下の開催ということで若手騎手や減量騎手の積極的な騎乗により荒れる傾向があるので、若手騎手に注目しておくといいでしょう。

この条件に限り、丹内祐次騎手も好成績を残しているので、丹内騎手の騎乗馬も押さえておくといいでしょう。

【傾向まとめ】

・先行馬が有利

・「リピーター」の馬に注目

・ステイゴールド産駒、キングカメハメハ産駒が好走

・丹内祐次騎手が好成績

・若手騎手にも注目

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