阪神競馬場の特徴とコース傾向を芝・ダートに分けて解説

阪神競馬場は兵庫県宝塚市にある競馬場で、最寄り駅から仁川競馬場とも呼ばれます。右回りコースとしては、日本で一番広いコースとなっていて、芝コースは内回りと外回りの2種類のコースがあります。

上半期グランプリである宝塚記念や牝馬クラシック第1戦である桜花賞、中距離王者を決する大阪杯や2歳王者を決める阪神ジュベナイルフィリーズ、朝日杯フューチュリティステークスが行われる競馬場となっています。

阪神コースの特徴

 コース全体の広さもありますが、芝・ダートともに最後の直線の上り坂が勝負の重要なポイントになることが多くなっています。

そのため、逃げ馬にとってはきついコースになっています。

 決まり手としては、先行と差しが多く、力のある馬が勝つ傾向にあります。

 ただ、開幕週はコンディションのいい状態での競馬ができるため、逃げ・先行馬の成績が複勝率40%とぐんと上がります。特に開幕週の1番人気になった逃げ馬は、勝率が8割近くになるので注目です。

 開催全体を通じて、1番人気になった馬が2着に入ることが多く、2着固定の馬券がよく当たる傾向にあります。(16年宝塚記念2着ドゥラメンテなど)

 同様にタフな馬場をこなす必要のある東京コースなどで好成績を残した馬が馬券に絡むことが多いので、阪神コースの予想では、前走の成績にも注目が必要です。

【傾向まとめ】

・東京コースで好成績を残した馬が活躍

・開幕週は逃げ馬と先行馬が好成績

 

 

★芝コース★

阪神コース/芝1200m

 重賞セントウルSが行われるコースです。

Aコース開催のときは、よく逃げ・先行馬が残ることが多く、パワータイプに強い血統が馬券に絡みやすくなっていますが、この開催が進んでいくと、差しも徐々に決まりやすくなります。

枠順の有利不利はそこまでありませんが、脚質的には基本は先行する馬を買うといいでしょう。

 血統で見ると、アドマイヤムーン産駒やマイネルラヴ産駒が好成績を残していて、アメリカダート血統と呼ばれる血統がこのコースには合っていると考えられます。

 セントウルSだけで見ていくと過去5年でアドマイヤムーン産駒が2勝しています。(13年:ハクサンムーン、17年:ファインニードル)

 このコースでは、川田将雅騎手やM.デムーロ騎手、福永祐一騎手が好成績を残しているので、チェックが必要でしょう。

【傾向まとめ】

・開幕週は逃げ、先行馬 開催が進んだら差し馬をチェック

・アドマイヤムーン産駒、マイネルラヴ産駒が好成績

・特にアドマイヤムーン産駒はよく絡む

・川田騎手、M.デムーロ騎手、福永騎手が好成績

 

阪神コース/芝1400m

 重賞の阪急杯、フィリーズレビュー、阪神カップが行われるコースです。

芝の内回りを走るコースで、開催される週によって有利な脚質に変化の出るコースとなっています。

 春の開催の開幕週に行われる阪急杯では、逃げ馬の残りが多く見られますが、中盤で開催されるフィリーズレビューでは先行、差しの脚質の馬が有利になっていて、冬の開催後半に実施される阪神カップでは差し馬と追い込み馬の台頭が多く見られるようになります。

 このコースでは、切れ味のある馬が好成績を残しており、ハーツクライ産駒やディープブリランテ産駒が特に好成績を残しています。

 このコースでは、C.ルメール騎手の成績がとても良く、このコースでは是非買っておきたいジョッキーです。

また、福永騎手、川田騎手、M.デムーロ騎手も好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・開催週によって有利な脚質に変化があるため、要注意

・ハーツクライ産駒、ディープブリランテ産駒が好成績

・C.ルメール騎手は押さえる必要あり、川田騎手、福永騎手、M.デムーロ騎手にも注目

 

阪神コース/芝1600m

 G1桜花賞、朝日杯フューチュリティステークス、阪神ジュベナイルフィリーズなどが開催されるコースとなっています。

 外回りコースを使用し長い直線ときつい上り坂を駆け上がるため、逃げ馬にとっては厳しい展開になることが多くなります。

そのためこのコースでは、差しや追い込みの脚質を持った馬が勝ったりするケースが多くなっています。 

また枠順に関しても、外差しが決まりやすい傾向を受けて、外枠(7・8枠)の馬の成績が良くなっています。

桜花賞では18年のアーモンドアイや16年のジュエラーなどが7枠から勝っていて、この傾向にあると言えるでしょう。

 血統面から見ると、ディープインパクト産駒、ハービンジャー産駒、アドマイヤムーン産駒、ロードカナロア産駒など、切れ味があったり、タフな馬場を得意とする血統の成績が優秀です。

騎手では、川田騎手、浜中俊騎手、M.デムーロ騎手、C.ルメール騎手などがこのコースを得意としています。

【傾向まとめ】

・差し、追い込みタイプが有利、逃げ馬は捕まりやすい

・ディープインパクト産駒、ハービンジャー産駒、アドマイヤムーン産駒、ロードカナロア産駒に注目

・特にロードカナロア産駒はこれから出てくる種牡馬なので要チェック

・川田騎手、浜中騎手、M.デムーロ騎手、C.ルメール騎手が好成績

 

阪神コース/芝1800m

 重賞の毎日杯やローズSが行われるコースになっています。

外回りの1ターンコースで3コーナーまでの距離が長いため、逃げ馬が捕まりやすい展開になることが多く、上がり勝負に対応できる差し馬の成績が安定しています。

 枠の有利不利はそこまでありませんが、とにかくスピードと力を兼ね備えた馬が連対することが多く、人気になることが多いため、傾向としては堅いレースになることが多いです。

 産駒では、ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒、ダイワメジャー産駒といった中距離で活躍している産駒を中心に成績が安定しています。

 このコースで成績上位の騎手は、川田騎手、福永騎手、M.デムーロ騎手、C.ルメール騎手といったリーディング上位の騎手です。

成績の良い騎手に良い馬が集まる傾向があるので、結果的にまた成績が良くなるということになっています。

【傾向まとめ】

・差し馬優勢、逃げ馬には辛い展開になりやすい

・ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒、ダイワメジャー産駒の成績が優秀

・川田騎手、福永騎手、M.デムーロ騎手、C.ルメール騎手が好成績

 

阪神コース/芝2000m

 G1大阪杯や重賞の鳴尾記念、チャレンジC、マーメイドSが行われるコースとなります。

内回りコースを使用し、先行や差しの手が打てる馬が好走しています。

 17年の同レースを勝ったキタサンブラックは先行、18年の勝ち馬スワーヴリチャードは差しで勝っています。

内回りという直線の短いコース体系なので、ある程度のポジションが取れていないと厳しい展開になるということが言えるでしょう。

 このコースではディープインパクト産駒、ハービンジャー産駒、キングカメハメハ産駒、ハーツクライ産駒など中距離で活躍している産駒の成績が優秀で、信頼できる血統です。

また、穴目ではヴィクトワールピサ産駒やゼンノロブロイ産駒が回収率が高くなっており、注意したい血統です。

 騎手では川田騎手の成績が安定しており、連系の軸にオススメです。

大阪杯でも2年連続馬券に絡んでいることから、その傾向があると言えるでしょう。(17年ステファノス、18年アルアイン)

また、M.デムーロ騎手も好成績です。

【傾向まとめ】

・ある程度いいポジションが取れないと厳しい(先行、差し)

・ディープインパクト産駒、キングカメハメハ産駒、ハーツクライ産駒、ハービンジャー産駒に注目

穴目ではゼンノロブロイ産駒、ヴィクトワールピサ産駒

・川田騎手、M.デムーロ騎手が好成績 特に川田騎手は連対率と複勝率が高いのでチェック

 

阪神コース/芝2200m

 内回りを使用するこのコースは、上半期グランプリの宝塚記念などが開催されるコースです。

タフな上り坂を2回通るため、パワータイプの馬でロスなく運べる内枠が比較的有利ですが、5枠馬の連対も多くなっています。

 このコースでのレースで支持された1番人気はなぜか勝率が低く、宝塚記念でも14年のゴールドシップを最後に勝っていません。

ですが、2・3着に来ることが多いため、馬券での押さえは必要でしょう。

 脚質で見ると、逃げ、追い込み脚質の馬は不利なコースなので、先行や差しタイプの馬に展開が向きやすくなっています。

 血統ではディープインパクト産駒、ネオユニヴァース産駒、マンハッタンカフェ産駒の成績が良く、宝塚記念では特に牝馬のディープインパクト産駒が毎年馬券に絡んでいるので、人気が無くても注意は必要です。(17年ミッキークイーン、16年マリアライト、15年デニムアンドルビー、ショウナンパンドラ)

 このコースでは、武豊騎手と川田騎手、M.デムーロ騎手が好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・先行~差し馬有利 1番人気は勝ちきれない傾向

・内枠と5枠馬に注目

・ディープインパクト産駒、マンハッタンカフェ産駒、ネオユニヴァース産駒が好成績

特に牝馬のディープインパクト産駒は好走傾向

・武豊騎手、川田騎手、M.デムーロ騎手が好成績

 

阪神コース/芝2400m

 外回りコースを使用し、重賞神戸新聞杯が開催されるコースとなっています。

 このコースでは、レースの流れとしてスローからの上がり勝負になることが多く、有利不利もそこまで少ないコースなので、どの脚質にもチャンスがあります。

そのため、馬券としては比較的波乱が起きやすい傾向にあります。

 枠順的な面から見ると、比較的内枠の馬に有利になる傾向があります。

これは長距離戦ということで、ロスなくコースを立ち回れることが影響していると思います。

ただし神戸新聞杯は、菊花賞のトライアル戦ということもあるので、力のある馬が順当に勝つことが多く、枠に関係なく堅く収まる傾向にあります。

 血統で見ると、ハービンジャー産駒、キングカメハメハ産駒といった長距離適性のある血統が多く馬券に絡んでいます。

 また騎手では、阪神コースを得意とする福永騎手やC.ルメール騎手、長距離戦を得意とする藤岡佑介騎手などが好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・比較的波乱傾向、内枠には注目 脚質には有利不利の差はなし

・ハービンジャー産駒、キングカメハメハ産駒の成績が優秀

・福永騎手、C.ルメール騎手、藤岡佑介騎手が好成績 藤岡佑介騎手は回収率も高いので注目

 

阪神コース/芝3000m

 重賞阪神大賞典でのみ使用されるコースとなっています。

春の天皇賞に繋がるレースのため、出走馬も力を持った馬が多く、比較的堅めに収まる傾向にあります。

17年、18年とも3連単が万馬券になっていないことからも、人気通りに決まりやすいレースということが言えるでしょう。

 このコースでは、タフな馬場をきっちり走ることの出来る先行馬が好走する傾向にあり、そのまま天皇賞春でも結果を残すことが多いです。

(17年:1着サトノダイヤモンド→天皇賞春3着、2着シュヴァルグラン→天皇賞春2着

 18年:1着レインボーライン→天皇賞春1着、3着クリンチャー→天皇賞春3着)

 血統的にはハーツクライ産駒、ステイゴールド産駒、ディープインパクト産駒といった血統が好走傾向にあります。

【傾向まとめ】

・長距離に適性のある馬が好走 堅く収まりやすい

・ハーツクライ産駒、ステイゴールド産駒などが好走傾向

 

★ダートコース★

阪神コース/ダート1200m

 向正面2コーナーからのスタートとなり、逃げ・先行馬に有利なコース体系となっています。

上級クラスでは差し馬の台頭も見られますが、下級条件での実施が多いので、逃げ・先行馬を中心に、好位から抜けられそうな馬を選んで予想を組み立てるといいでしょう。

 穴となるのは、逃げ馬で前走からの距離短縮組です。

前走で凡走していたパワー血統の馬には、注意が必要で、よく馬券に絡んでくるため、全体的には中波乱のレースが多くなっています。

 血統で見ると、サウスヴィグラス産駒やクロフネ産駒といったダート短距離に適性のある血統が好走しています。

特にこの2つの産駒は、勝率・回収率ともに優秀な成績を残しているので、注目しておきましょう。

 このコースでは、C.ルメール騎手、浜中騎手、福永騎手の成績が優秀です。

特にC.ルメール騎手は、2~3回に1回のペースで馬券に絡むので、このコースの時は買いです。

【傾向まとめ】

・逃げ・先行馬が中心 

・距離短縮の逃げ・先行馬は特に注目

・サウスヴィグラス産駒、クロフネ産駒は注目

・C.ルメール騎手、浜中騎手、福永騎手が好成績 特にC.ルメール騎手は買い条件

 

阪神コース/ダート1400m

 芝発走でダートに合流するコース体系となっていて、3コーナーまでの距離があるのでハイペースになりやすいコースです。

また直線にタフな坂が設けられているため、逃げ残りが難しく、好位を立ち回れる先行馬か足を溜められる差し馬が台頭します。

この傾向はクラスが上がるほど顕著になっていきます。

 枠の関係では、芝を長く走ることの出来る外枠が優勢です。

 血統面から見ると、シニスターミニスター産駒、エンパイアメーカー産駒、ストリートセンス産駒といったアメリカンダート血統の馬が好走傾向にあります。

 騎手では、川田将雅騎手がこのコースを得意としており、複勝率が50%前後なので、この条件の川田騎手は買いです。

またM.デムーロ騎手や福永騎手も好成績を残しています。

【傾向まとめ】

・先行、差し馬に有利 上級になると差し馬がさらに有利

・外枠の差し馬には注目

・シニスターミニスター産駒、エンパイアメーカー産駒、ストリートセンス産駒の成績が優秀

(特に重・不良の馬場でのエンパイアメーカー産駒、ストリートセンス産駒は確実に好走するので注意)

・川田騎手、福永騎手、M.デムーロ騎手が好成績 特に川田騎手は複勝率50%前後あるので注目

 

阪神コース/ダート1800m

 正面スタンド前を発走して、コーナーを4つ回るコースになっています。

このコースでは重賞のアンタレスSなどが実施されます。

 このコースでは、スローペースになりやすく、逃げ・先行馬が有利とされています。

ですが、先行馬が殺到してハイペースになると差し馬や追い込み馬が殺到することが良くあるので、展開を読むことがカギになってきます。

また、あまりにもペースがスローすぎると、捲ってくる馬が殺到するので、そうなると荒れることが多くなります。

 血統ではキングカメハメハ産駒、エンパイアメーカー産駒、カネヒキリ産駒、ゴールドアリュール産駒といった中長距離のダートに適性を持った馬が活躍します。

また、良馬場ではカジノドライヴ産駒の成績も優秀なので、注目ポイントです。

 騎手ではM.デムーロ騎手と武豊騎手が好成績を残しており、注目です。

【傾向まとめ】

・基本は逃げ、先行馬が有利 ただし、展開を読む必要あり

・ハイペースになると差し、追い込みが殺到する

・キングカメハメハ産駒、エンパイアメーカー産駒、ゴールドアリュール産駒、カネヒキリ産駒が優秀

 (良馬場ではカジノドライヴ産駒にも注目)

・武豊騎手、M.デムーロ騎手が好成績

 

阪神コース/ダート2000m

 4コーナー奥の芝コースとの合流地点から発走するコースとなっていて、重賞のシリウスSなどが行われるコースとなっています。

 枠順に有利不利はありませんが、基本的に先行馬が有利です。

逃げ馬もよく台頭しますが、クラスが上がると差し馬が伸びてくることが多く、条件的に(長距離+直線の上り坂)厳しくなります。

 シリウスSで見ると、連対する馬は基本的に先行して好位につけた馬がほとんどなので、前目につけられる馬を中心に買うといいでしょう。

 産駒ではゴールドアリュール産駒、ネオユニヴァース産駒、キンシャサノキセキ産駒が好成績を残しています。

17年の勝ち馬メイショウスミトモ(ゴールドアリュール産駒、11番人気)のように、人気が無くても好走する傾向にあるので、この3頭を父に持つ血統には注目です。

 騎手では福永騎手がこのコースを得意としていて、成績も安定しています。

また、M.デムーロ騎手も好成績なので、注目しておきましょう。

【傾向まとめ】

・基本は逃げ・先行馬 上級クラスでは差し馬も検討

・ゴールドアリュール、ネオユニヴァース、キンシャサノキセキ産駒が好走傾向

・福永騎手、M.デムーロ騎手が好成績(特に福永騎手は押さえが必要)

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